で、PC側がMacintoshでモバイル側がiPhoneならば、Bonjour(リンク)を使ったらネットワークの面倒な設定をしなくても簡単にやり取りを出来るんじゃないかと思い、試してみました。
iPhone側はTitanium MobileがBonjourをサポートしているので、これを利用すれば良さそうです。今回は、Kitchen SinkにBonjourを使ったサンプルがあるので、せっかくだから、これをそのまま使用します。
Mac側はAIRでアプリを作ることに決めているんですが、残念ながらAIRではBonjourをサポートしておりません。仕方ないので、NativeProcessで外部アプリを利用しましょう。
1. dns-sdコマンドラインツール
Macにはdns-sdというコマンドラインツールがあって、これでBonjourサービスの検索や登録ができます。このツールを使って、接続したい機器のアドレスとポートの情報を取得するまでの手順を確認しましょう。
まず事前に、Kitchen SinkのPlatformタブにBonjourってのがあるので、これを選択しておきます。これは、Bonjourのサービスを起動すると共に、そのサービスとのやり取りを兼ねたサンプルとなっております。
ソースコード(リンク)を見てみると、サービスタイプが _utest._tcp になっているので、以下のコマンドを実行すると、このサービスタイプを提供している機器のインスタンス名を取得できます。
$ dns-sd -B _utest._tcpインスタンス名が取得できれば、以下のコマンドでアドレスとポートを知ることができます。
$ dns-sd -L <インスタンス名> _utest._tcpここまでわかれば、後はAIRで、このアドレスとポートに接続するSocketを作成してあげれば、それを通じてやり取りが出来るようになります。
実際に上記コマンドを実行して、出力されるログを確認してみてください。
2. AIRアプリの作成
AIRで外部のプログラムを起動するには、NativeProcessを使用します。以下のようにして、まずインスタンス名を取得するコマンドを実行します。
var process:NativeProcess = new NativeProcess(); var args:Vector.<string> = new Vector.<string>(); args.push("-B"); args.push("_utest._tcp"); // 今回のサンプルのサービスタイプ var info:NativeProcessStartupInfo = new NativeProcessStartupInfo(); info.executable = new File("/usr/bin/dns-sd"); info.arguments = args; process.start(info); process.addEventListener(ProgressEvent.STANDARD_OUTPUT_DATA, onBrowseService);コマンドの実行結果は標準出力に出ますので、ハンドラー関数の中で以下のようにして、結果を取得し、インスタンス名に当たる部分を抜き出します。
private function onBrowseService(event:ProgressEvent):void{ var stdo:IDataInput = process.standardOutput; var result:Array = stdo.readUTFBytes(stdo.bytesAvailable).split('\n'); var column:String = String(result[result.length - 3]); var index:int = column.search("Instance Name"); if (index != -1) { var instanceName = result[result.length - 2]; instanceName = instanceName.slice(index); // インスタンス名 } }ここでは、直前の行の"Instance Name"文字列の位置を手がかりにインスタンス名を抜き出してます。また、同名のサービスタイプを提供する機器が複数存在する場合を考慮してません。
インスタンス名がわかれば、以下でアドレスとポートの情報を取得します。
var process = new NativeProcess(); var args:Vector.<string> = new Vector.<string>(); args.push("-L"); args.push(インスタンス名); args.push("_utest._tcp"); var info:NativeProcessStartupInfo = new NativeProcessStartupInfo(); info.executable = new File("/usr/bin/dns-sd"); info.arguments = args; process.start(info); process.addEventListener(ProgressEvent.STANDARD_OUTPUT_DATA, onResolveService);同様にコマンドの実行結果は標準出力に出ますので、ハンドラー関数の中で以下のようにして、結果を取得し、アドレスとポートに当たる部分を抜き出します。
private function onResolveService(event:ProgressEvent):void { var stdo:IDataInput = process.standardOutput; var result:Array = stdo.readUTFBytes(stdo.bytesAvailable) .split("can be reached at "); if (result.length == 2) { process.removeEventListener(ProgressEvent.STANDARD_OUTPUT_DATA, onResolveService); result = result[1].split(" ("); var iNamePort:Array = String(result[0]).split(":"); var address:String = iNamePort[0]; // アドレス var port:int = parseInt(iNamePort[1]); // ポート } }アドレスとポートがわかれば、それとやり取りする為のSocketを作成してあげます。
var socket = new Socket(); socket.connect(address, port); socket.addEventListener(Event.CONNECT, onConnect);無事に接続すると、ハンドラー関数が呼ばれます。Kitchen Sinkのサンプルでは、ターゲットに"req"という文字列を送ると、機器情報を返信してきますので、これを受け取れるように受信ハンドラーを設定しておきます。
private function onConnect(e:Event):void { socket.addEventListener(ProgressEvent.SOCKET_DATA, onSocketData); socket.writeUTFBytes("req"); // ターゲットにデータ送信 } // ターゲットからデータを受信 private function onSocketData(e:ProgressEvent):void { var reply:String = socket.readUTFBytes(socket.bytesAvailable); }ご参考までに、以下に実際に動作するAIRアプリのソースコードを置いておきます。
http://homepage.mac.com/daoki2/lab/Bonjour/BonjourTest.tar.gz (4KB)
以上のようにすれば、Bonjourを介して、MacとiPhoneで簡単にデータのやり取りを行うアプリを作ることが出来そうです。ただ、Mac以外やAndroidでは、どうすれば良いのでしょうか?
実は、ここ(リンク)にBonjourのJava実装のソースコードがあるので、これを使えばもしかしたらその他のプラットフォームでも同じようなことが出来るかも知れません。
もしうまく動かせたら、是非教えてください (^_^;
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