きっかけは朝に見かけたこの記事だったのです。詳細は記事を読んでいただくとして、要は電子書籍が日本で一向に普及しないのは、メーカーの囲い込み戦略により、Aという端末ではAストアのコンテンツしか読めず、他のストアとの相互利用ができないからだと言うのである。
本当だろうか?もちろん、心理的な妨げの一因であることは間違いないし、誰もが自分の端末で様々なコンテンツを読みたいであろうことは間違い無いけれど、出版社からすればそこに市場があるのならば、様々なストアにコンテンツを提供すれば良いだけの話しである。
記事中にもあるように、マンガまでを書籍に含めれば実は日本は電子書籍大国なのである。結局のところ、日本人はマンガばっかり読んで、その他の書物のニーズがそもそもそんなに多く無いのではないのか?というのが自分の持論です。
囲い込みに関してもう少し言及すると、例えば、家庭用ゲーム機は対応ソフトじゃないと遊べないわけだけど、それが普及の妨げになっているという話はあまり声高には聞かないし、むしろ競争原理が働いて消費者は非常に安くゲーム機を手に入れられるなどのメリットを享受しているように思う。
電子書籍もいまはまだ様々なメーカーに競争してもらった方がメリットは大きいのではないのだろうか?また、記事中にあるiTunesストア待望論も囲い込みという意味では他のストアと同等である。だから、これが決定的な理由になるとは思えない。
(ただ日本人は外圧が無いとなかなか変わることのできない国民性なので、そういう意味で黒船としてのiTunesやアマゾンのKindleに期待するのもよくわかる)
もうひとつ普及を妨げる要因として、電子書籍なのに値段が高いというのがある。電子書籍なんて、紙に比べてコストかかっていないんだから、もっと安くて当然だろうということだ。にも関わらず、電子書籍の値段をあまり下げることが出来ないのは、書店や印刷業者が潰れるからだ。
というようなことが誠しやかに言われるが、そういう都市伝説(と勝手に私は思っている)を恐れすぎず、業界は勇気を持って電子書籍でこれまで本をあまり読まなかった層を開拓できれば、むしろ紙の書籍の売上もあがるんじゃないかというような気がする。
また私たち消費者も、コストにお金を払うというの感覚では無く、もっと価値にお金を払うという風にマインドを少しづつでも変えてった方が良いのではないだろうか?
紙だろうが電子書籍だろうが、そこから得られるもの(= 価値)は基本的には同じものであるはずだ。であるならば、紙も電子書籍も同じ値段でも構わないと私は思う。
(もちろん、現時点で電子書籍から得られるユーザー体験は(私の価値基準でも)紙の書籍に遠く及ばないので、そういう観点からは電子書籍の値段をもう少し下げてもらいたいなーとは私も確かに思うのだが)
そうしないと、際限の無いコスト削減の圧力にメーカーは疲弊してしまうわ、デフレスパイラルもいつまで経っても止まらないわで、景気も良くならないし明るい未来も来ないような気がしてならないんだぜ?w
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