2011/08/25

Thoughts on Flash vs HTML5

世の中、何事も対立軸で見た方がわかりやすいし、面白いですよね。最近度々起こるFlash vs HTML5論争もそんな感じなのですが、この論争のきっかけ(のひとつ)を作った敬愛するSteve JobsがAppleのCEOの座を辞職することになったので、これを機会に彼のThought on Flashを真似て、Thoughts on Flash vs HTML5として、自分の考えをまとめてみました。

■FlashとHTML5はそもそも競合する技術なのか?
一部のHTML5支持層はHTML5によって今後Flashは不要になると言う。Flashの多くの支持層は、FlashとHTML5はお互いを排他する存在ではなくて、両方をうまく使ってよりよいものを作って行ければ良いと言う。双方にそれぞれの言い分があるようだ。

じゃー、私はどう思っているのか?と言いますと、私はFlashとHTML5は基本的に競合する技術だと思う。確かに両方をうまく組み合わせて使うことを否定はしないけど、HTML5がFlashのポジションを狙っているのは明らかじゃない?

いまはまだリトルリーグと大リーグくらいの力の差はあるのかも知れないけど、HTML5少年もいつかは大リーガーになることを夢見てこれからも練習に励んでいくんだろう。Flashはその頃には更に先に進んでいるんだろうけど、HTML5で多くの人が必要十分だと思う機能はいずれ実現されると思う。

但し、用語に混乱があるような気がする。HTML5と言っても何がHTML5なのか私にはよくわからない。なので、この手の話はFlash vs その他のWeb技術と捉えるようにしている。もっとぶっちゃけると、Flashを無くしたいと思っている人達と、無くしたく無いと思っている人達の論争なんだろうな、と。

■何でそんなにFlashを無くしたいの?
Flashを無くしたい人達は何でそこまでFlashを嫌うんだろうか?幾つかケースを考えてみた。

1) iOSで見れないから
これはわかる。これは他に選択肢が無いもんね。でも、みんながみんなiOSを使っているわけじゃないんだし、実はFlashを見られない人よりもHTML5を見られない人の方が多いらしいよ?いまんとこね。

2) オープンソースじゃないから
Flash Playerがオープンソースじゃないというのは、いまの時代には嫌うに充分な理由になると思う。自分は、Adobeもそのことは充分承知しているが、オープンにすることで互換性の無いPlayerが広まることを恐れているのでは無いかと勝手に想像している。

だから、Adobeはオープンにしない代わりにみんなの為にいろんなプラットフォームやブラウザ間での互換性を保つ為に血の滲むような多大な努力を払っているんだなと思うようにしている。

まぁ、オープンにしてほしいけどね。

3) プラグインを入れるのが嫌だから
自分もプラグインを入れると何となく不安定になるんじゃないかというイメージは持っているので、なるべくプラグインは入れたく無いという気持ちはよくわかりますし、実際、必要だと思う最低限のものしか入れないようにしてます。でも、常用のブラウザ(Chrome)にはデフォルトでFlash Playerのプラグインが入るようになったんですよ・・・

4) 過去に何か嫌な思いをしたから
過去に糞重いFlashサイトを開いてしまって、すごく迷惑だった?あるいはいきなり大音量が出て恥ずかしい思いをしたとか?何でもそうですけど、一度失った信用を取り戻すというのは大変なことですよね。これに関しては、私から言えることは何もありません。

ただ、Flashが流行り始めたあの頃と違って、いまはそんなにひどいサイトはあまり見かけないと思うんですけどねー。

5) ちょっとした出来心
HTML5によって以前よりもインタラクティブなサイトがFlashを使わなくても作れるようになったというのは歴然たる事実だと思う。だから、Flashイラネとか言ってみたらちょっと受けるかな?とか、ちょっとした出来心で言ってしまったってのが本当のところじゃないのかな?

■FlasherはFlashが無くなったら困るの?
じゃー仮にFlashの無い世界がやって来たとして、Flasherは困るのだろうか?実はそんなに困らないんじゃないのかなぁ?と思ってます。むしろFlashを毛嫌いして、インタラクティブなUIやコンテンツをあまり作ってこなかった人達の方が、HTML5の時代になって、そういうコンテンツを求められた時に困るのでは無かろうか?

AdobeもHTML5対応のツールを今後積極的に出していくと思うし、Edgeを見てみても、それは現在のFlash IDEの使い勝手をある程度踏襲したものになるだろう。であれば、極論すれば、Flasherに取っては出力フォーマットがFlashかHTML5の違いでしか無いのだ。

だからHTML5の時代が来ても、インタラクティブなUIや演出に長けたFlasherの仕事は減ることは無く、むしろ増える方向に行くのでは無いだろうか?HTML5にはまた違ったKnowHowが当然求められるだろうが、Flashで一回乗り越えた人達の方が、いろいろと鼻は効くような気がする。

それに、最終的にAdobeはFlash IDEでFlashコンテンツを作っても、プラグインが無いとHTML5にフォールバックするようなコンテンツを作れるようにするでしょ?それは絶対間違いないでしょ?だからHTML5派の人もFlashを使えるようになってても損はしないと思うけどな。

■まとめ
個人的にはHTML5がFlashを駆逐すると言うにはまだまだ時期尚早だと思うし、現実解としてのFlashは今後もしばらく、というかずっと使われることになると思う。だからと言って安泰というわけでも無く、ある領域に置いてはHTML5にその座を譲ることになるのであろう。

だけど、そんなことはどうでもいいことじゃないだろうか?正直、HTML5とFlashのどちらが明日生き残ろうが、大した問題では無い。そんなことより、大好きなあの子に今日フラれるかも知れないことの方がよっぽど重要な問題だよね。

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